都会では忘れられた風情
田舎暮らしのメリットとして挙げられる理由の中に、風情があるという回答が見られました。これはまさにその通りだなと感じることが田舎だと多々あります。
東京などの都会では忘れられた風情がまだ田舎には残っているのです。田舎といっても、いろいろな田舎があります。自然の多く残っているところでも、山があったり、湖に近かったり、海に面した田舎というのもあるでしょう。いずれの場合にしても、それぞれに趣のあるところばかりです。
そういった自然の豊かなところだけではなく、田舎そのものが持っている風情を味わうことができるのも田舎のメリットということができるでしょう。
日本的情緒
風情というのは、日本的情緒ということでもあります。
さすがに現代社会においてかやぶき屋根の旧家のようなところに住むのは少し大変かもしれませんが、しかし、そういった家に住んでいる人たちもいます。そういうところで浮世離れした生活を楽しんでいるような人たちも中にはいるでしょう。
囲炉裏をつかっていたり、薪で風呂を沸かしたりしている人もいるようです。
もちろん、そういう昔の生活を楽しんでいる人は少数かもしれませんが、それもまた田舎ならではの風情を楽しんでいると言えます。こういう楽しみ方はもう今では都会ではできません。
すべてが電動になってしまって、スイッチをひねればすぐに電気がついたり、お風呂を沸かすことができたりするような生活に慣れてしまうと、そのような生活に戻ることも難しくなるでしょう。
さすがにそこまでいかなくても、田舎には風情が残っているところがまだたくさんあります。田んぼや畑が広がっていたり、家々がそういう中に点在していたりするのです。そういうところにいると、時間がゆったりと流れているように感じます。
静かな風情
メリットの中で「静か」というのを挙げている人もいます。これもまた田舎ならではの特徴で、それが風情を生み出していると言えます。
都会では、どんなに静かだと言われているようなところでも、車の音や電車の音がうるさかったり、人が騒ぐ音がしてわさわさした雰囲気になっているようなところもあります。そういう都会では、田舎での本当の意味での静寂というのを味わうのはとても難しいでしょう。そういう静かな風情を味わうことができるから田舎暮らしに憧れるという人もいるのです。
静かなところで絵を描いたり、音楽を作ったり、あるいは文章を書いたりしたいから、田舎に移住するというアーチストも今ではとても増えてきています。そういう人たちはそんな都会では味わうことができなくなった、静かな風情を田舎に求めているのです。